
ビットコインは2026年中に過去最高値を更新する。ただし、その理由はほとんどの人が想像するものとは全く違う
6月下旬の暴落で58,000ドル台まで沈んだビットコインが、7月に入って57,700ドルの安値から約11%反発し64,500ドル台まで回復する中、こんな大胆な発言が注目を集めています。
発言の主は、元バイナンスビジネス開発責任者(BD)のチェイス・グオ氏。バイナンス内部の事情を知り尽くした元幹部が語る「最高値更新の条件」は、業界の常識を覆す内容でした。
「半減期でも、個人投資家でも、マクロでもない」

仮想通貨の世界では、ビットコインの価格上昇を予測する際に必ずと言っていいほど引き合いに出される3つの材料があります。
- 半減期サイクル:4年ごとにマイニング報酬が半減し、供給減少が価格を押し上げるという歴史的なパターン
- 個人投資家の熱狂:SNSで火がついた「FOMO(取り残される恐怖)」が買いを呼ぶ
- マクロ経済の追い風:利下げや量的緩和による流動性拡大がリスク資産に流れ込む
しかしグオ氏は、<cite index=”20-1″>次のビットコインの大きな急騰は、半減期サイクルや個人投資家の熱狂、マクロ経済の追い風によって主導されるわけではないと主張した。</cite>
では何が価格を動かすというのか——その答えが「流動性と市場構造」です。

元幹部が明かす「本当のエンジン」——流動性ポジショニングと構造的ダイナミクス

グオ氏は、暗号資産市場そのものの流動性ポジショニングや構造的ダイナミクスがきっかけになると考えている。「この理由には多くの人が驚くだろう」とグオ氏は述べた。ナラティブへの信念よりも、市場メカニズムが決定的な役割を果たすと示唆した。
具体的には何を指しているのか。グオ氏の発言を読み解くと、2つの核心が浮かび上がります。
① 「合意が形成されると、それ自体がターゲットになる」
グオ氏の2026年予測の鍵となるのは、大口投資家が市場コンセンサスとどう関わるかである。多数のトレーダーが強気または弱気のナラティブで一致すると、流動性は予測しやすい価格帯に集中することが多い。「合意が形成されると、それ自体がターゲットとなる」と同氏は示唆した。過去には、ポジショニングの混雑が急速な清算と急激な価格反転につながり、新たなトレンドを生み出した場面があった。
わかりやすく言い換えると——「今は弱気だ」という見方が市場に広がりすぎると、大口が逆方向に動かして流動性を刈り取るチャンスが生まれる、ということです。
6月の暴落で恐怖指数が20台まで落ち込み、「まだ下がる」という弱気論が市場を覆った状況は、この観点からすると「逆張りの仕掛け場」として機能する可能性がある、とも読めます。
② 「ビットコインでさえ、短期の流動性フローに大きく左右されている」
ビットコインは長期的な価値保存手段として語られることが多いが、元バイナンス幹部のグオ氏は、BTCでさえ短期的な流動性フローやレバレッジドポジションに大きく左右されていると強調した。
「デジタルゴールド」というナラティブで語られるビットコインですが、現実の価格形成において最も強い影響を持つのは哲学や信念ではなく、短期の資金の流れと先物・オプションのポジション状況だ——というのがグオ氏の見立てです。
「内部からの証言」という重みと、その解釈

グオ氏の発言に重みを与えているのは、その経歴と発言内容の「一致」です。
グオ氏の仮説が正しければ、次の過去最高値は単なるデジタルゴールドへの信頼の物語にとどまらない。流動性の操作や合意形成によって、現代の暗号資産市場がいかに変動するかを示す事例となる。チェイス氏の発言は、公式な規制措置や繰り返される公の告発を背景にすると、より重みを増す。短期的なインセンティブと流動性ゲームに支配された市場の描写は、米国証券取引委員会(SEC)が2023年にバイナンスおよび創業者チャンポン・ジャオに対して訴訟で主張した内容とよく一致する。
つまり「業界の内側にいた人間が、自らの経験を踏まえて語っている」という文脈があることで、この発言は単なる強気予測の域を超えています。
ただし注意も必要です。グオ氏はバイナンスを離れた立場の人物であり、内部事情を把握していた人物の発言が必ずしも客観的な分析と一致するとは限りません。批判的な視点で受け取ることも重要です。
他のアナリストの見方——強気・弱気が真っ二つ

グオ氏の発言をより広い文脈で理解するために、他のアナリスト・機関の見方も整理しておきましょう。
強気派
不動産投資家グラント・カーディン氏は、<cite index=”21-1″>ビットコインが年末までに189,425ドルに達すると予測した。</cite>現在の60,000ドル台から3倍超という大胆な予測です。
**CZ(バイナンス創業者)**は2026年1月のダボス会議でCNBCに対し、ビットコインが「4年サイクルを破り」、今年新たな史上最高値に達すると予想しており、従来の4年周期とは異なる動きを示す見込みだと述べた。米国およびその他の国々でますます親暗号資産的な政策が進展していることを強調し、それがデジタル資産のグローバル環境を改善していると述べ、強気の見通しの根拠とした。
CZ自身は以前のインタビューでビットコインが現在のサイクルで50万ドルから100万ドルまで上昇する可能性があると述べており、グオ氏と同様にバイナンスに深く関わってきた人物が揃って強気なのは注目に値します。
弱気・慎重派
ギャラクシー・デジタルCEOのマイク・ノヴォグラッツ氏は、ビットコインが10万ドルを超える回復を遂げる条件は整っていないと述べた。
ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は、年末の目標を125,000ドルに引き下げており、最高値更新は想定しつつも規模については慎重な見通しを示しています。
また予測市場では、700万ドル以上がある結果に賭けられており、ビットコインの価格変動に関する予測は、資産が長期の弱気相場に苦しんでいるにもかかわらず急増している。
7月の相場——「11%反発」をどう読むか

グオ氏の発言を踏まえて、現在の相場状況を見直してみましょう。
7月に入ってビットコインは57,700ドルの安値から約11%反発し、64,500ドルの水準まで回復しました。CryptoQuantの分析によると、この反発の背景には「7月特有の季節性」と「米国投資家の需要回復」があるとされています。
ただし、オープンインタレストの減少とスポット需要の弱さが7月の上昇の持続可能性に疑問を投げかける中、ビットコインは2週間ぶりの高値から後退している。
グオ氏の言う「流動性ポジショニング」の観点から見ると——レバレッジが十分に整理され、弱気ポジションが積み上がったこの状況は、大口が逆方向に動かすための「燃料」が蓄積されている状態とも解釈できます。
最高値更新に必要な「3つの条件」

今後ビットコインが本当に最高値を更新するためには、グオ氏の「流動性論」以外にも、以下の条件が揃う必要があると考えられます。
① Clarity法案の進展 7月初旬に本格審議が予定されている米国の仮想通貨規制明確化法案。これが可決に向けて動けば、機関投資家の参入に向けた最大の障壁が取り除かれます。
② FRBの利下げ転換 高金利環境がリスク資産の最大の重しになっています。インフレが沈静化してFRBが利下げに転じれば、流動性がリスク資産に戻ってくる可能性があります。
③ 中東情勢の安定化 イラン情勢の緊張が続く限り、地政学リスクプレミアムがビットコインの上値を抑え続けます。停戦が定着すれば、リスク選好度が一気に改善する可能性があります。
まとめ——「驚きの理由」を知った上で、冷静に向き合う

グオ氏の発言の本質は「ビットコインの価格は物語(ナラティブ)ではなく、市場メカニズムで動く」というメッセージです。
「半減期だから上がる」「デジタルゴールドだから上がる」という信念で投資するのではなく、流動性の流れ・ポジションの偏り・大口の動きを意識した上で判断することが重要だ——これは個人投資家にとっても非常に示唆に富む視点です。
6月の暴落で「もう終わり」と感じた方も多いかもしれませんが、市場が一方向に傾き切った時こそ、反転のエネルギーが最も高まる瞬間でもあります。
最高値更新が本当に来るのか、それとも二番底が待っているのか——答えは市場だけが知っています。大切なのは、どちらのシナリオにも対応できる準備をしておくことです。
免責事項: 本記事は2026年7月11日時点の情報をもとに執筆しています。価格情報・予測はあくまで参考情報であり、投資の推奨ではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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