先日の記事でお伝えしたビットコインの暴落から数日が経ちました。
6月3日に65,707ドル(約1,020万円)という4カ月ぶりの安値をつけたビットコイン。「さらに60,000ドルを割り込むのか」「それとも反発するのか」——多くの投資家が固唾をのんで見守ってきたはずです。
今回は暴落後の値動きを時系列で追いながら、現在の相場状況と今後の見通しを整理します。
暴落後の値動きをおさらい——5月から6月の動き

今回の暴落は、6月3日に突然始まったわけではありません。5月の動きから振り返ると、全体像がよく見えてきます。
5月のビットコイン相場は「上に行って来い」の展開となりました。1BTC=76,000ドル近辺でスタートし、83,000ドル手前まで上昇した後、月末には74,000ドル近辺まで値を下げ、6月に入ると70,000ドルを割り込みました。
特に印象的だったのが5月上旬の動きです。5月6日に83,000ドル手前でピークアウト。その後も何度か82,000ドル台での上抜けを試みましたが、結局トリプルトップのようなパターンを形成して失速しました。
そして6月3日、ビットコインは週内で最大12.3%の下落を記録し、65,000ドルの水準を割り込む展開となりました。
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65,000ドルが「最後の砦」だった理由

トレーダーはビットコインの65,000ドルの水準を重要なテクニカルサポートとして注視しており、これを下回ると60,000ドルを目指す動きが出る可能性があり、一方でこの水準を維持すれば短期的な反発の展開が期待されるとみられていました。
結果として、65,000ドルラインは辛うじて死守。完全には下抜けせず、この水準で底打ちの兆候が見え始めます。
「投資家はマクロ経済リスクを回避し、ステーブルコインに殺到し、ビットコインから離れつつある」というテクニカルアナリストの見方がある一方、逆張りの買いも徐々に入り始めていました。
暴落後の回復——何が価格を押し上げたのか

底打ち後、ビットコインはゆっくりと反発の兆しを見せ始めます。その背景にあった主な要因を整理します。
① イラン情勢の緩和期待
今回の暴落を引き起こした最大の外部要因のひとつが、イラン情勢でした。しかしAxiosが60日の停戦延長で暫定合意し大統領の承認待ちだと報じたことで、ビットコインは一時78,000ドルにワンタッチする場面もありました。
実際に3月16日にはイランでの戦争に伴う市場の混乱が緩和に向かい始めるとの楽観から投資家がリスク資産に戻り、ビットコインは一時約4%上昇して74,512ドルと6週間ぶりの高値を記録した局面もありました。ただしその後も小競り合いが続き、イランがクウェートの米軍基地を攻撃したと伝わると一時72,000ドル台に失速するなど、イラン情勢に振り回され続ける展開となりました。
② 個人投資家・中規模投資家の買い向かい
暴落後、バイナンスでは個人投資家や中規模投資家からの資金流入が大幅に増加しました。機関投資家が売り続ける一方で、「下落局面こそ仕込み時」と判断した個人・中規模投資家が買い向かっている構図です。
③ トランプ・イラン外交の進展期待
2026年5月23日時点では米イラン間の合意の可能性に対する楽観的な見方から、ビットコインは一時安値の74,192ドルから約77,000ドルまで急騰する場面もありました。地政学リスクが緩和されるたびに、リスク資産としてのビットコインに資金が戻る動きが確認されました。
現在の相場——2026年6月7日時点

2026年6月現在はイラン情勢含む中東情勢の緊張から市場全体がリスクオフとなり、約1,000万円付近を推移しています。
65,000ドル台の底から見れば若干の回復を見せているものの、昨年10月に付けた過去最高値をなお約40%下回る水準にあります。「暴落からV字回復」とはまだ言えない状況です。
週足チャートで見ると、2月の安値60,000ドルで切り返した後、緩やかな上昇チャネルを形成していたものの、先週初に原油価格が106ドルまで上昇する中でレンジを下抜け、65,000ドル近辺まで失速。下降フラッグや一目均衡表の3役逆転といった売りシグナルが複数出現しています。
テクニカル的には、まだ完全に底打ちを確認できたとは言えない状況です。
6月の相場を動かす3つの重要ファクター

今後の値動きを左右するポイントを整理します。
① イラン情勢の行方
6月のBTC市場は、底値を固める展開となりそうです。引き続きイラン情勢に左右されやすいものの、最近のメイン・テーマは「堅調な株式市場への資金シフト」に変わってきた印象があります。
停戦が正式に合意されれば、地政学リスクプレミアムが剥落してビットコインへの資金が戻る可能性があります。逆に攻撃が再開されれば、さらなる下値探りになりかねません。
② Clarity法案の審議(7月初旬)
材料面では、Clarity法案の本格審議は7月初旬に予定されています。仮想通貨の規制を明確化するこの法案が進展すれば、機関投資家にとってのリスク要因が一つ取り除かれ、資金流入のきっかけになる可能性があります。
③ FRB新議長の姿勢(7月議会証言)
金融政策は新議長の7月議会証言が最大の注目点です。利下げに積極的な姿勢を示せばリスク資産全体が上昇しやすく、逆に引き締め継続を示唆すればビットコインへの逆風が続きます。
過去の暴落後パターンとの比較

「今回の暴落は過去と比べてどうなのか」という視点も重要です。
ビットコインはこれまで何度も大幅な下落を経験してきました。
- 2018年:約85%の下落 → 2020〜2021年にかけて最高値を大幅更新
- 2020年3月:コロナショックで40%超下落 → 同年末に最高値更新
- 2022年:FTX破綻等で約75%下落 → 2024〜2025年に最高値更新
今回の最高値(1,867万円)からの下落率は現時点で約45%。過去の大型暴落と比べれば、まだ「中程度の調整」の域を出ていません。
2025年11月〜2026年1月にも似た動きがあり、金が上昇する中でBTCはいったん置いて行かれたが、その後資金が戻って反発したという直近の前例もあります。
アナリストたちの見通し

株式市場が今後調整局面を迎えれば、BTCも当初は連れ安になる可能性があります。ただし、そうした下げがセリングクライマックスとなれば、逆に反発のきっかけになると考えられます。6月は底値を固める過程になるとみています。
一方、より悲観的な見方としてビットコインのサイクルの底値がまだこれから訪れるとみており、2026年10月に新たな最安値をつける可能性に言及しているアナリストもいます。
強気・弱気の見方が交錯する中で、市場がどちらの方向に傾くかは、イラン情勢・FRB・Clarity法案という3つのファクターにかかっていると言えます。
まとめ——暴落後の今、投資家はどう向き合うべきか

暴落後の今、ビットコインは65,000ドル台で底打ちの兆候を見せながらも、上値の重い展開が続いています。V字回復にはまだ材料が足りない一方で、「底を打った」という見方も広がりつつあります。
こうした局面での心構えをひとつ。
「暴落中に仕込んだ人が、次の上昇で最も笑う」
これは過去の相場が繰り返し証明してきた事実です。ただし、「まだ下がるかもしれない」リスクも当然あります。一括購入より分割積立、余剰資金の範囲内で——この原則だけは、どんな相場環境でも変わりません。
次の大きな動きが来るのは、7月のClarity法案審議とFRB新議長発言の後かもしれません。引き続き動向を追っていきます。
免責事項: 本記事は2026年6月7日時点の情報をもとに執筆しています。価格情報・予測はあくまで参考情報であり、投資の推奨ではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。


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